アキバ博士の食農教室「食の知恵と文化」

ワサビはなぜすしに使うの?

ワサビはなぜすしに使うの?

抗菌作用があるのさ

 今年も残すところ半月余りとなったね。寒さが厳しくなってきたけれど、みんなちゃんとご飯を食べて丈夫な体をつくっているかな。僕は最近、すし屋さんに行ったんだ。マグロにイカ、エビなど、たくさん食べたよ。けれど、ネタとご飯の間に付けるワサビが鼻につーんときて涙が出ちゃったよ。辛くて香りの強いワサビは、ソバや刺し身にも薬味として使われるけれど、なぜだろう?

 ワサビは、消臭や食中毒の病原菌に対する抗菌効果を持つ日本原産の香辛料なんだ。飛鳥時代や平安時代の古い記録にもワサビが薬草として用いられたと書かれているよ。江戸時代後期に握りずしが流行して、ワサビを付けるやり方が広まったんだよ。

 刺し身に付けると、魚の生臭さが消えると昔からいわれているんだ。昔の人はワサビの“毒消し効果”を経験から知っていたんだね。今では、脳血栓や心筋梗塞(こうそく)を防いだり、花粉症の症状を軽くしたりする作用も注目されているんだ。

 みんなは、すりおろす前のワサビを見たことがあるかな?薬味を作るには、根茎(芋)を、おろし器を使ってすりおろすんだ。すりおろすことで細胞が壊され、辛味成分が生まれ、香りも強くなるんだ。細かくすりおろせばおろすほど、辛味と香りが強くなるので、より細かくできるサメの皮で作ったおろし器がいいといわれているよ。おろし器の上に砂糖を少し載せて、すりおろすと、あくが抜けて辛味と香りが一層、引き立つんだ。

 芋のほか、花や葉、葉柄、根は漬物にも使えるので、ワサビは捨てるところがない植物なんだよ。

 ワサビの種類には、水の中で育てる沢ワサビ(水ワサビ)と、畑で育てる畑ワサビ(陸ワサビ)があるよ。有名な長野県の大王わさび農場では、アルプスのわき水で一年中、沢ワサビを栽培しているよ。わき水は水温が13、14度で安定しているから、辺り一面に雪が降り積もったり、気温が氷点下になったりしても、凍ることはないんだ。種まきから収穫まで2年かけてじっくり育てているんだよ。

 ワサビは海外でも使われるようになってきたよ。外国から来る友人にもワサビを使った食べ物を案内したいな。ワサビの辛さや香りを、もっと好きになってもらえるといいね。

(取材協力=大王わさび農場)

アキバ博士の食農教室
学ぶ
  • 郷土料理レシピ
  • アキバ博士の食農教室
  • JA直売所まっぷ