アキバ博士の食農教室「食の知恵と文化」

重曹できれいになるのはなぜ?

重曹できれいになるのはなぜ?

研磨作用があるんだ

 もうすぐ4月だね。入学や進級を前に、部屋をきれいにしようと思っている人も多いんじゃないかな。最近、そうじに重曹を使う人が出てきたね。環境に配慮した生活をしたい人が増えている証拠だよ。僕も風呂場や食器磨きに使っているよ。でも、どうして重曹できれいになるんだろう。

 重曹の正式名称は「炭酸水素ナトリウム」っていうんだ。重炭酸ソーダとも言うよ。原料は中国にある山などから掘り出したものなんだ。ただ、純度が低いから工業的に純度を高めてから販売しているよ。

 なんで山の中に重曹の原料が埋まっているのか、知っているかな。大昔に海水の成分と、岩石の成分が熱によって反応した結果だといわれているんだ。だから現在は、塩と岩石の成分を化学的に合成して製造する方法もあるよ。

 どうして、そうじに使うのかというと、重曹の粒子に訳があるんだ。実は重曹の粒子には、物を研いで磨く作用があるよ。そう言うと「お皿を重曹で磨くと、傷だらけになってしまう」と考える人もいるかもしれないね。

 ところが違うんだ。重曹の粒子は押すと変形するほど軟らかいから、物を傷つけにくいんだ。しかも小麦粉と同じように油を吸着する性質があるので、汚れを落とすんだよ。

 肌にも優しいよ。合成洗剤には一般的に、油分を水によく溶かすための界面活性剤が使われているけれど、重曹には含まれていないよ。だから皮膚の脂質があまり取られず、肌荒れしにくいんだ。ほかに、生き物に影響を与えず、水質を汚す原因にならないところが気に入って、重曹を使っている人も多いんだ。

 ところでみんな「重曹泉」って知っているかな? 主成分が重曹の温泉のことだよ。肌の表面の汚れを取って、皮膚がふっくらするのが特徴なんだ。重曹泉を地域の資源としてアピールしているのが宮城県大崎市の東鳴子温泉。2007年に「重曹泉の郷(さと)」と宣言したよ。この地域は、もともと重曹泉がわくんだ。宿ごとに微妙に成分や色、香りが違うんだ。

 あ~、久しぶりに僕の部屋をきれいにしたら疲れちゃった。気分転換に重曹泉に入って僕もきれいになっちゃおうかな。春に向けてすべすべの肌になるぞ~。

 

(取材協力=太陽油脂、宮城県・東鳴子温泉観光協会)

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