アキバ博士の食農教室
AKIBA-HAKASE

スーパーの残った食品はどうなるの?

2022.03.31

スーパーの残った食品はどうなるの?

えさなどに再利用も

(C)こぐれ けんじろう・画

 スーパーの閉店時間が近づくと、弁当や総菜を安売りしていることがあるよね。

 その日に売らないと、次の日には賞費期限がきて売ることができなくなるからなんだ。でも、中には売れ残ってしまうものもあるよね。まだ食べられるのに、捨てられちゃうのかな。

 以前は、スーパーで売れ残った食べ物は、ほとんどが生ごみとして捨てられ、燃やされていたんだ。まだ食べられるのに、もったいないね。2000年に「食品リサイクル法」という法律ができたこともあって、そういう生ごみを何とか上手に使おうという取り組みが盛んになってきたんだ。

 今では、スーパーの売れ残りの食べ物、缶詰やソーセージを作る工場から出る食品くず、レストランやホテルの食べ残しなど、1年間に約500万~600万トンの生ごみが資源として再生利用されているんだ。そのほとんどは、肥料や、豚などの家畜のえさに生まれ変わっているんだよ。

 どうしたら生ごみから肥料や、えさができるんだろうね。肥料を作るときは、生ごみに、すでに出来上がった肥料を少し混ぜるんだ。生ごみを分解して肥料にするには微生物という目に見えない菌が必要なのだけれど、すでに出来上がった肥料には、この微生物がたっぷり入っているよ。

 肥料に含まれている微生物にとって生ごみは、ご飯だから、生ごみを食べて分解することで肥料ができるってわけさ。

 でも、微生物の働きに任せておくだけだと肥料ができるまでけっこう時間がかかってしまう。そこで、早く肥料を作るために、生ごみをかき混ぜて酸素を送り、微生物の働きを活発にさせているよ。

 えさを作る場合は、悪い菌が入っていて、豚などの家畜がおなかをこわしてしまったら困るよね。だから、生ごみに熱を加え、乾燥させて、悪い菌を殺すんだ。それから細かく砕き、トウモロコシなどを混ぜて、えさを作るんだ。

 生ごみを再利用することは重要なんだけれど、もっと大切なことは、食べ物を残したり、捨てたりしないで、生ごみを減らすことだと思うよ。

(取材協力=農水省総合食料局食品産業企画課)