アキバ博士の食農教室「食の知恵と文化」

柿の渋抜きってどういう意味?

柿の渋抜きいろいろ
(C)こぐれ けんじろう・画

甘味引き出す作業さ

 最近、近所の農家の軒先に柿がずらっと干してあるのを見かけたよ。渋柿は干すことで、渋が抜けるんだ。そういえば、「渋を抜く」ってどういうことなのかな?

 実は、渋味の原因であるタンニンを舌で感じさせなくすることなんだ。「抜く」って言っているけれど、柿の外にタンニンが出ていくわけではないんだよ。

 タンニンは水に溶けやすくて、それが口の粘膜にくっつくと渋味を感じる。でも、タンニンはアセトアルデヒドという物質とくっつくことで水に溶けにくくなり、食べても渋味を感じなくなるんだ。渋を抜くには、干し柿にする以外にもアセトアルデヒドを利用すればいいんだね。

 アセトアルデヒドは、アルコールや炭酸ガスを使えば発生させることができる。アルコールの場合は、柿のへたに焼酎などのお酒をちょっと付けて袋に入れ数日待つんだ。柿がアルコールを吸うことで実の中でアセトアルデヒドができるよ。炭酸ガスを使うと、酸素が足りなくて柿が窒息状態になる。そのときに柿の中でアルコールができて、アセトアルデヒドもできるって仕組みなんだ。干し柿は皮をむいたときの刺激や、水分が抜けることで、タンニン同士がくっつき大きくなり、水に溶けにくくなると考えられているよ。

 昔は「お風呂の残り湯に1晩漬けて渋を抜く」って方法も一般的だったんだ。お湯に漬けると、窒息状態になるし、40度くらいの温度はアセトアルデヒドができやすい環境だからさ。鹿児島県では、温泉に漬ける柿も有名だけど、温泉成分が関係しているというより、お湯に漬けることで渋を抜いているそうだよ。

 柿にはたくさんの品種があって、アルコールが効果的なものや、炭酸ガスが向くものなどがあって、それぞれ渋の抜き方が変わるんだ。

 

(取材協力=奈良県農業総合センター果樹振興センター特産開発チーム)

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