アキバ博士の食農教室「食の知恵と文化」

キュウリのあくはどう抜くの?

キュウリのあく抜き
(C)こぐれ けんじろう・画

切り口こするだけだよ

 そろそろ夏の野菜が旬を迎える季節だね。露地でキュウリ、ナス、ピーマン、トウモロコシなどが元気に育ち、夏の間、収穫が続くよ。

 ところで、みんなは大人がキュウリを料理に使うとき、先端を切って、へたを切り口に、こすり合わせているのを見たことがあるかな? そうすると「キュウリのあくが抜ける」と昔からいわれているんだ。あくというのは、食材に含まれる苦味や渋味、えぐ味などのことだよ。出来上がった料理にあくが残らないように、下ごしらえの時や調理中に取り除くんだ。でも、あんなに長いキュウリのあくが先端をこするだけで抜けるなんて、本当かなあ?

 実は本当なんだよ。こすり合わせることで、キュウリの中のあくを含んだ液を減らすことができるんだ。

 キュウリの緑色の皮のすぐ下には維管束(水や養分などが流れる管)があって、その中の液に、蟻酸(ぎさん)という渋味のもとになる物質がたくさん含まれているよ。これがキュウリのあくなんだ。蟻酸はキュウリのどの部分にも含まれているわけではなくて、維管束の中の液に集中しているんだ。だからこの液を減らせば、あくも少なくなるのさ。

 キュウリの先端と実の切り口をこすり合わせると、液がたくさん外へ出て、実の中の蟻酸も少なくなるんだ。実験では、2分間こすり合わせることで、あくを含む液をかなり少なくすることができることが分かったんだ。

 キュウリの下ごしらえには「板ずり」といって、まな板の上で転がして、塩でもむ方法もあるよ。これも同じ原理で、皮のすぐ下にある維管束を壊して液を外に出し、あくを減らす効果があるんだ。

(取材協力=農研機構野菜茶業研究所・野菜・茶の食味食感・安全性研究チーム)

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