アキバ博士の食農教室「食の知恵と文化」

酵母はどんな働きをするの?

酵母の働き
(C)こぐれ けんじろう・画

お酒の香りも作るんだ

 最近、変わったお酒を見つけたんだ。花から採った酵母で造ったお酒だって。日本酒というと、米に注目しがちだけれど、酵母も重要なんだね。酵母って、どんな働きをしているんだろう?

 酵母は丸い形をした微生物。増える時は、芽が出るように新しい酵母が生えてきたり、分裂したりして増える。糖分を餌にしてエタノールと二酸化炭素を作り出すんだ。この働きを利用して、日本酒やワイン、パンなどを造るんだよ。自然界では至る所にいて、空気や土、水の中、動物や植物の体にもくっついている。酵母だけで数百種類もあるんだ。僕らに関係のある日本酒やパンなどの食べ物に利用される酵母は、サッカロミセス属の仲間の、主に「セルビシエ」という種類だよ。

 これらの酵母が、ブドウを発酵させてワインにしたり、パン生地を発酵させて膨らませたりするんだ。酵母は香りを作り出す力も持っている。清酒酵母には、バナナやメロンなど果物や花の香りを作る仲間がいるよ。香りの加減は、仕込みの温度や、米をどれくらい削るかで調節できるんだ。酒造りでは酵母の能力を知っていないと、その力を引き出すことができないんだね。

 今までにない酒の味を探すために、新しい酵母を見つけようと頑張っている人もいる。たくさんの花びらを集め、お酒のもろみに入れて発酵させ、培養してから一つ一つの菌を取り出して確認する。なかなか簡単には見つけられないらしいよ。

 これまでに冬ツバキ、ヤヒコザクラ、ナデシコ、チューリップなどからも酒造りに適した酵母が発見されているよ。研究室にある花に、僕みたいに変わった酵母が、すみ着いてるかもしれない。探してみるぞ~。

 

(取材協力=東京農業大学醸造微生物学研究室、富山県農林水産総合技術センター)

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