アキバ博士の「農の知恵」

フキのとう 雄と雌があるの?

フキのとう 雄と雌があるの?

雌にめしべ雄に花粉

 寒い日が続いているね。でも、一年で一番、日が短い冬至を過ぎてからは、だんだんと日が長くなるのを感じるよ。そろそろ梅も咲き始めるし、木々の芽も膨らんでいるよ。春はすぐそこまで来ているね。

 春の味覚といえば、木々や野草の芽があるね。タラの芽のてんぷらは有名だね。地面を見ればフキのとうがある。フキのとうは、てんぷらがおいしいけれど、酢の物やあえ物にもできるよ。

 フキのとうとフキが同じ植物だということは、みんな知っているかな。フキは長い葉柄を切って、つくだ煮風に煮た「きゃらぶき」を作るんだ。甘辛くて歯応えがあって、ご飯が進むよ。フキのとうは、フキが春に咲かせる花なんだよ。

 実はフキには、イチョウやホウレンソウみたいに、雄株と雌株があるんだ。では、フキのとうにも雄と雌があるのかな?

 その通りなんだ。雄株のフキからは雄のフキのとうが咲いて、雌株のフキからは雌のフキのとうが咲くんだよ。閉じているフキのとうを、こじ開けてみると、雌花には糸状のめしべがたくさんあって、雄にはない。糸状のものが見えたら、雌のフキのとうってことだね。

 一方、雄花は黄色い花粉を持っているから、黄色っぽく見えるんだ。雌花は花粉を持っていないから白っぽい。こうした特徴で、フキのとうが雄か雌か分かるよ。ただ、味や食感の違いは特にないんだ。

 野生では、フキの雄と雌は、ほぼ1対1だと考えられている。だから、山で採ってきたものは当然、雄花と雌花が交じっているよ。

 フキのとうは、農家が栽培する場合もあるよ。葉柄を採るための栽培と、葉柄とフキのとうの両方を採るための栽培があるんだ。群馬県を中心に栽培される「水ブキ」という種類は、葉柄とフキのとうの両方を食べる。2、3月にフキのとうを採り、その後、5月くらいまで葉柄を採るんだ。この群馬の「水ブキ」は、1950年代の後半から株分けで県内に広まった品種で、雌株だと分かっている。だから、この「水ブキ」から採れるフキのとうは、みんな雌花なんだよ。

 実際には、店で品種を表示して販売することはないし、いろいろな地域から集めて売るので、中身を調べてみないと雄雌は分からないけれどね。

(取材協力=群馬県農業技術センター中山間地園芸研究センター)