アキバ博士の食農教室「農の知恵」

ミカン 表年、裏年って何現すの?

ミカン 表年、裏年って何現すの?

実る量の波のことさ

 すっかり暖かくなったね。僕のうちは、やっとこたつをしまったよ。こたつにミカンの組み合わせが好きだから、ちょっと残念。ミカンといえば、2008年産の温州ミカンは裏年って聞いたけれど、表年、裏年ってなんだろう?

 温州ミカンの表年、裏年っていうのは、その年の実のなり具合をいうんだ。表年は、たくさんなった年。裏年はあまりならなかった年のことだよ。温州ミカンは表年と裏年を交互に繰り返すんだ。隔年結果っていうよ。でも、なんで年によって、実がなったり、ならなかったりするのかな?

 まず、ジベレリンっていう植物ホルモンが、果実がなるのを邪魔するんだ。ジベレリンは温州ミカンの芽に働き掛けて、花ができるのを邪魔して実がならないようにしちゃうんだ。

 温州ミカンでは果実の中で、ジベレリンが作られる。作られたジベレリンは枝の中を流れて、果実の近くについてる芽に働き掛けるんだ。だから、その年に果実がなった枝には、翌年花がつかない。つまり、実がならないんだね。

 ほかには、光合成によって作られた糖の貯蔵量が関係しているよ。夏の間に作られた栄養分の糖は、葉や枝、根の成長、果実の肥大に使われるんだ。使われなかった分は枝や根など、木のあちこちに蓄えられる。

 蓄えられた糖を使い、冬の間に翌年の花芽ができるんだ。でも、果実がたくさんなると、大きくするのにたくさんの糖を使うから、あまり蓄えられないんだ。そうすると花芽も減り、果実も減っちゃうってわけ。

 ジベレリンや糖の働きで表年、裏年が交互にやってくるんだね。でも農家にとっては、表年に果実がなり過ぎちゃうと、価格が下がって都合が悪いよね。だから、毎年同じくらい果実をならせるためにいろいろな工夫をしているんだよ。

 基本は、表年に果実をならせ過ぎないこと。だから、表年には、つぼみや花を念入りに摘むんだ。ジベレリンを芽に掛けて花ができないようにすることもあるよ。

 裏年、表年はデコポンや夏ミカンなどのかんきつ類や柿、マンゴーでもあるよ。実は僕のテストの点数も、かなり裏、表が・・・・・・。頑張った次のテストって気が抜けちゃって悲惨なことになっちゃうんだよね。

                       

(取材協力=農研機構・果樹研究所)