アキバ博士の食農教室「食の知恵と文化」

ネギは切ってもまた生える?

ネギは生長点が残ると切っても生える
(C)こぐれ けんじろう・画

生長点が残るからさ

 暑い日には冷たいそうめんや冷ややっこが食べたくなるよね。薬味にネギを入れると、おいしいね。僕の母は家庭菜園をしているんだ。葉ネギも育てているよ。母は葉ネギを抜かずに、葉だけをはさみで切って収穫するんだ。何日かすると、また葉が生えてくるよ。不思議だね。どうして、切ってもまた葉が生えてくるのかな?

 ネギの奥深くに隠れていて見えないけれど、盤茎部と呼ばれる部分が根と葉の間にあるんだ。この盤茎部の中心にある生長点から葉が生えるんだよ。生長点を残して肥料や水、光などをやれば、葉を切ってもまた生えてくるんだ。

 ネギの花をネギ坊主と呼ぶけれど、見たことはあるかな? 暖かい春になると、ネギの葉のてっぺんに白くて丸い種の固まりができるんだ。ネギ坊主が出ると成長が止まるので、葉を切っても、もう生えないよ。でも盤茎部の別の部分に新しい生長点ができて、再び葉が出るんだ。ネギ坊主ができる前から新しい芽を出す品種もあるよ。品種によって出にくいのもあるけれど、ほとんどのネギは出るよ。

 ネギは球根類のユリ科の植物なんだ。ワケギやニラも同じ仲間だから、葉を切ってもまた葉が生えてくる。ただし、切っていくうちに栄養分がなくなっちゃうから限度があるんだ。生えてくる回数は、光の当たり具合によっても変わるんだよ。

 東日本では白い部分の多い白ネギ、西日本では葉の部分の多い葉ネギが主流なんだ。みんなの地域ではどっちを食べることが多いかな? 白ネギも葉ネギと同じ特徴を持っているけれど、葉ネギのように葉を切って食べたりはしない。ネギの特徴をとらえて、葉ネギの葉だけを収穫している農家の知恵ってすごいね。

 

(取材協力=農研機構・野菜茶業研究所)