アキバ博士の食農教室「食の知恵と文化」

アスパラガスのヒラヒラは何?

アスパラのヒラヒラは光合成をしない葉
(C)こぐれ けんじろう・画

光合成をしない葉だよ

 スーパーには、きれいな緑色のアスパラガスが並んでいるよ。よく見ると、周りに濃い緑色のヒラヒラがたくさん付いている。ちょっと硬くて食べにくいけれど、あれは一体何なのかな?

 実は、あのヒラヒラがアスパラガスの葉。僕たちは茎と、それにくっついた葉を食べているんだ。先端の葉が重なった部分は、柔らかくておいしいよね。

 でもこの葉には、葉緑体がなくて光合成をしないんだ。なんだか葉らしくないね。光合成をするのは、なんと茎なんだ。アスパラガスは背が伸びるに連れて、僕たちが食べている太い茎から直径1、2ミリの細い茎が生え、いくつも枝分かれする。ここに葉緑体があって、光合成をして栄養分を作っているんだ。細い茎は見た目は松葉のようだし、葉緑体もあるので「擬葉」という名前が付いているよ。

 この擬葉を守るのが、ヒラヒラした葉の役割なんだ。葉をちょっとめくってごらん。白っぽい芽みたいなものがあるだろう。これは擬葉の芽。アスパラガスの茎は、春の初めのまだ寒さが残る時期に土から出てくる。寒さで擬葉が枯れないように、葉がぴったり付いて守っているんだ。特に、最初に冷たい空気に触れる先端は、葉を何層も重ねるほど、気合を入れて守っているよ。光合成をしないと、背を伸ばせないからね。

 僕たちが食べているアスパラガスは、背が20~30センチの時に収穫したものなんだ。天気が良いと、1日に5センチも伸びる元気な野菜なので、ほっておけば3メートルくらいまで伸びるよ。アスパラガスのジャングルだね。でも50センチ以上になると、硬くて食べられないんだ。ちょっと残念だなあ。

(取材協力=北海道立総合研究機構 花・野菜技術センター、東北大学)