アキバ博士の「農の知恵」

レンコンの穴 何で開いているの?

レンコンの穴 何で開いているの?

呼吸する空気の道さ

 今年もあと1週間を切ったね。みんなはもう、年賀状を書いたかな?お母さんやおばあちゃんは、そろそろお節料理の準備を始める時期じゃないかな。

 お節料理には、新しい年の始まりを祝うために縁起の良い食べ物が使われるよ。こぶ巻きは「喜ぶ」の「こぶ」とかけて縁起が良いとされている。一種の駄じゃれなんだね。面白いね。レンコンもそう。レンコンには穴が開いているよね。あの穴を「未来を見通す」ものと考えて、縁起が良いとされている。

 レンコンはハスの地下の茎。花もきれいだけれど、地下茎も食用になる便利な植物なんだ。でも厳密に言うと、花を見るための品種と、レンコンを食べるための品種があって、それぞれ特徴が違うんだ。

 花を見るための品種には、八重咲きのほか、花色も白からピンクまでいろいろあって楽しめる。たくさんの品種があるよ。ただ、レンコンの収量や太りはあまり良くない。

 一方、食用品種とされているものはレンコンの太りが良い代わりに、花つきは悪くて、花色も多くない。用途に応じて品種を使い分けているというわけなんだ。レンコン用の品種は各地にいろいろあるけれど、「中国種」と呼ばれる白花の品種が有名だよ。

 ところでみんなは、このレンコンの穴がなぜ開いているか知っているかな?

 レンコンの穴はね、レンコンが呼吸をするための通気口なんだよ。レンコンも生きているから、もちろん呼吸をしなければいけない。しかし、水底の泥の中には、レンコンが呼吸をするための酸素が少ないんだ。だから、レンコンの中に穴を開けて、水の上の空気が地下まで通じるようになっているんだ。

 穴は葉っぱの気孔(葉が空気を取り入れるための小さな穴)から始まり、葉柄の中を通り、レンコンまで続く。葉柄を横に切ると、レンコンの穴と同じような小さな穴が並んでいるよ。

 水辺の植物には、ヨシやクレソンなど、同じように茎の中が空洞になっているものがいくつかある。茎の中が空洞だと、水に浮きやすくなるという利点もあるんだ。僕らが普段食べている作物も、それぞれ生きるためにたくさんの工夫をしているんだね。

(取材協力・茨城県農業総合センター生物工学研究所)