アキバ博士の「生き物バンザイ」

田んぼの生き物、冬はどこに?

田んぼの生き物、冬はどこに?

土や水の中にいるよ

 すっかり秋だね。秋といえば実りの時期。田んぼの稲穂はすっかり刈り取られて、水がなくなっているよ。ところで、夏の田んぼやその周りにはアメリカザリガニ、メダカ、トンボなど、たくさんの生き物たちがいたはずだけれど、今の水のない田んぼには見当たらないね。みんないなくなってしまったのかな?

 いなくなったわけではないんだ。土の中や水のある所に潜み、また田んぼに水が戻ってくるまで、じっと待っているんだ。どんなふうにして冬越しするかは、生き物の種類によって違うよ。おおまかに言って(1)土や泥に潜る(2)水のある場所に避難する(3)卵で冬を越す――の3つがあるよ。

 まず、土や泥の中で冬を越す生き物の代表的なものは、アメリカザリガニやカエルの仲間だよ。アメリカザリガニは、田んぼに水がなくなってくると、畦(あぜ)などに深い穴を掘ってその中で過ごすんだ。えらで呼吸をしているから、完全に水のないところでは死んでしまう。でも穴の中は適度な水分と温度があって生きていけるんだ。

 アマガエルやトノサマガエル、ヒキガエルなども土の中で冬を越すよ。オタマジャクシは水がないと生きられない。でも大人のカエルは、それほど水を必要としないんだ。冬眠するときも土の浅いところや落ち葉の下などにいるよ。

 次は、水のあるところに避難して冬を越すタイプ。田んぼやその周辺にはドジョウ、メダカ、タモロコなどがすんでいるよ。魚は、えらで呼吸をするから、冬の間も確実に水の中にいる必要があるんだ。夏の間、田んぼや狭い水路に入り込んでいた魚は、水のある水路や水たまりなどに避難するよ。小さな水たまりに何千匹もの魚が集まることもあるんだ。冬は魚もあまり動かないとはいえ、大変そうだね。

 最後は、卵で冬を過ごすタイプ。赤トンボの仲間は秋に田んぼに産みつけられた卵が冬を越し、春になると孵化(ふか)してヤゴになる。田んぼで小動物を食べて成長し、夏にトンボになるんだ。

 トンボの仲間は寿命が短く、成虫が年を越すことはできないけれど、卵を残すことで次の世代が生まれるんだ。田んぼは、大事なすみかとして、たくさんの生き物を支えているんだね。

(取材協力=農研機構・農村工学研究所・生態工学研究室)