アキバ博士の「生き物バンザイ」

ススキの根元にある花は何?

ススキの根元に咲く花
(C)こぐれ けんじろう・画

寄生した植物なんだ

 夏の盛りが過ぎ、そろそろ秋の気配が感じられる時期だね。秋のお月見には、ススキの穂を飾る。この穂はススキの花なんだよ。ところで、8月から9月にかけて、ススキの根元に草丈20センチくらいの紅紫色の花が咲いていることがある。でも、ススキの花は、今言ったように穂。この紅紫色の花は、一体何の花なんだろう。

 実は、この花はナンバンギセルといって、ススキとは全く別の植物だよ。ススキの根に寄生して水や養分を奪う、ススキにとっては迷惑な植物なんだ。

 ナンバンギセルは、春に小さな種から芽を出してススキの根に取り付く。自分で光合成をして養分を作らないので、ずっと地中で過ごし、花の時期に突然ひょっこりと地上につぼみを伸ばし、花を開く。そして実を結び、たくさんの種をばらまくんだ。種はススキの根の近くで翌年また発芽する。ススキ以外にミョウガなどに寄生することもあるよ。

 ナンバンギセルのような植物を寄生植物と呼ぶんだ。寄生植物は、農作物に寄生する場合もあるよ。沖縄では、ナンバンギセルがサトウキビに寄生することがあるんだ。被害は特にないけど、畑の近くにススキが生えているときにしばしば現れるよ。アフリカでは、ストライガという寄生植物がトウモロコシやソルガムに寄生して、農業生産に被害をもたらしている。こちらは深刻だね。

 今年の十五夜は9月22日。十五夜の月は中秋の名月といって、ススキの穂を飾って、団子やサトイモ、栗などを食べながら、お月見をする習慣があるよ。ススキの穂は飾るだけじゃなくて、丸めてフクロウを作ったりして遊ぶこともできるよ。ススキは河原や草原などによく生えているから、みんなも大人と一緒に取りに行って、飾ってみたらどうかな。

(取材協力=沖縄県農業研究センター名護支所