おいしく育てて加工─JA北九管内 田中悠介さん
子どもから若い世代のファンが多い田中農園
響灘に面した海が近い北九州市若松区有毛に、幅広い層の人から愛される田中農園がある。小さいころから農業が好きで、妻のちひろさんや両親と農業を行っているのは、JA北九管内で農園を営む田中悠介さん(24)。
ブルーベリーを300本、夏にスイカを約1ヘクタール、冬はキャベツを約3ヘクタール生産している。田中農園では、自家栽培しているブルーベリーの手作りジャムやソフトクリームを販売している。
また、ブルーベリーはJA農産物直売所「かっぱの里若松店」へ、キャベツはJAへ出荷している。
スイカの糖度は12~13と甘い。キャベツはミネラルたっぷりの海水を散布して育てた潮風キャベツで、甘味が強く生食でもおいしく、火を通すとさらに甘く芯までおいしく食べられる。
田中さんは福岡県農業大学校を卒業後、2010年20歳で就農。田中農園は12年11月にオープンした。6次産業に取り組み始めたのは、自分たちが育てて作ったものをこだわりをもって加工し、消費者の顔を直接見たいという思いから。原材料のイチゴ「あまおう」以外は自家栽培だ。
田中農園のコンセプトは「入りやすいお店」。誰でも店に入りやすいように、農園を始める前、県内外の直売所を訪ねて良さを研究。そこで考えついたのがソフトクリーム。自分たちで育てたブルーベリーやスイカ、カボチャ、紫芋を使い季節によってその味が楽しめるようにした。
季節は4~11月までで価格は一つ350円。
将来の夢は、農園に来てくれたお客さんが、ブルーベリーの収穫体験をできるようにすること。消費者とつながり、新しい価値を生み出していく田中さんはとても爽やかだった。