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「箱崎小町」ブランドに─JA福岡市東部 川嶋正信さん

農業を守り農業を残したいと語る正信さん
農業を守り農業を残したいと語る正信さん

 「博多青ねぎ箱崎小町」をご存じだろうか。香りが良く、ネギ特有のくせや辛味がないため、子どもでも食べやすい青ネギだ。

 福岡市内のスーパーやJA農産物直売所「愛菜市場」などで販売され、味わいの良さから市内にあるラーメン店に要望されて個別に出荷もしている。

 この「箱崎小町」を作るのは、福岡市東区の川嶋農園の川嶋正信さん(29)。

 住宅地の一角にある川嶋農園では、2棟の巨大ハウスの中で青ネギの水耕栽培が行われている。幼いころから、曾祖父の代から続く農業を継ぐことを考えていた正信さん。21歳のとき家業を本格的に手伝い始め、今では主軸として頑張っている。

 回転率の高い青ネギは、周年栽培が可能なため川嶋農園では年に7回転させるという。水耕栽培の環境を整えたことで、作業は単純だと語ってくれたが、水の循環用ポンプの点検や、温度管理、虫害対策のための消毒など毎日の地道な作業努力がおいしい青ネギ作りの秘訣(ひけつ)なのかもしれない。

 正信さんの作る「博多青ねぎ箱崎小町」は、ハウスの中の水路が並ぶベッドと呼ばれる台の上で育つため、病原菌・害虫の侵入がほとんどない。使用する農薬を減らすことで、消費者へ安全・安心な物を届けたいとのこと。

 消費者の声を意識し、生産現場との距離感を少しでも埋められるよう最近ホームページも開設した。新たな販路の拡大につながれば、と将来を見据えた目は真剣だ。

 農業を守り、農業を残したいと語る正信さん。今はまず、栽培計画をしっかりと立て「数字で父を超える」ことが目標という。そして、ゆくゆくは「箱崎小町」のブランド化も視野に入れている。

 若き生産者がわれわれ消費者の食卓を思い、農業の将来を考えながら育てた「博多青ねぎ箱崎小町」をぜひとも賞味していただきたい。

 

大学生記者 九州大学大学院・甲斐めぐみ
大学生記者 九州大学大学院・甲斐めぐみ