香ばしい「ひし茶」どうぞ JA福岡大城直売所「くるるん夢市場」 中村尋子さん
ホットひし茶がお薦めという中村さん
野菜畑に囲まれたJA福岡大城直売所「くるるん夢市場」は、広い敷地の中に大きな広場や人気のビュッフェレストランが隣接し、開放的な雰囲気を感じる直売所だ。
地域の特産品のきのこやアスパラガスをはじめとした新鮮野菜、さまざまな農産加工品など品ぞろえ豊富な店内の一角に、目を引く「ひし茶」。生産者の一人、中村尋子さん(69)は、3人共同で立ち上げた加工部で大木町特産品のヒシ栽培から加工、商品化に携わる。
販売は今年4月から。熟れ過ぎて色が悪く商品化できない実の有効活用として始まったひし茶の加工。乾燥した固い殻付きの実を丸ごと粉砕して、焙煎(ばいせん)。粗い粉はひし茶に、細かい粉は団子やクッキーに練りこんで無駄なく使われる。収穫や収穫後に何度も行われる洗浄、焙煎などは全て手作業で、とても手間が掛かっている。
「ひし茶」は麦茶に似た香ばしい香りを持つ。ホットでもアイスでもおいしいが、香ばしい香りがより豊かなホットで飲むのがお薦めという。
昔は地域のクリークで自生していたヒシも、今ではすっかり姿を消し、「ひし茶」を知らない消費者が多いと話す中村さん。「まずは少しでもひし茶を知ってもらうことから」と、試行錯誤の毎日という。ぜひ、このおいしい「ひし茶」をご賞味いただきたい。