
福岡野菜の名産地の
陽光を蓄えたキャベツ
糸島といえば、いまや人気の観光地にして、新鮮野菜の産地としても名をとどろかす。そこでさんさんと日光を浴びたキャベツを刈り取っているのが藤瀬さん。
「いま収穫しているのは“金春”という品種です。柔らかくてジューシーで、甘味もある種類なんですよ」
春キャベツの出荷が終われば、1年を通してさまざまな種類のキャベツを植えていくという。キャベツはひと玉ひと玉が大きいし、なかなかの力作業と思われるのだが…。
農業は慣れるほど
おもしろくなる
「機械といえば使ってるのは防除機とトラクターくらいですかね。あとはすべて手作業ですけど、体力的にはとくに問題はないです。大学ではずっとサッカーをやっていたので、体力には自信あります!」
聞けば、大学ではサッカー三昧。卒業してから農業に手を染めはじめたんだとか。
「農大を出たわけではないんで、いろいろ勉強しないと、とは思ってます。農業に関しても、はじめはやらされてる雰囲気だったんですけどそのうちおもしろくなっちゃって。なんか、父の思うツボって感じですね(笑)」



プロがおすすめする
キャベツのチョイス
それでも会話の途中には種まきに使うシーダーテープ、根こぶ病を防ぐために土づくりに使う鉱物スラグ、黒ぐされ、菌核病と専門用語がぽんぽん飛び出す。やはり日々作物と向き合っていれば若いうちのキャリアなどすぐに取り戻せるということか。
「さっきの金春ですけど、煮込んだら溶けるくらい柔らかいんで、生食向きなんですよ。焼鳥屋に行くとタレがかかったキャベツが出てくるじゃないですか。ある店では、タレじゃなくて塩だけがかかってたんです。それを食べてやっぱり生がおいしいな、と思ったんですよね」
逆に煮込み料理には固い種を選ぶべし、と最後にアドバイスをくれた。
(平成28年3月 取材)
協力:福岡県農林水産物ブランド化推進協議会