
サラダがおすすめ!生でも食べられる逸品
この時季、食卓を飾る機会が多いのはやはり鍋。そんな鍋のサポート役を代表するのが今回取り上げる春菊だ。昔の露地ものはアクが強く、えぐ味や苦みが強かったものだが…。
「確かに苦いという印象を持つ人が多いですが、いまはそんなことないですよ。その証拠にうちではサラダなど生食をおすすめしてます」と語るのは生産者の児嶋さん。おっかなびっくり、ハウスで食べさせてもらうとこれがほんとに甘い! 生で食べられるというのも納得のうまさだ。
「軽くゆでた春菊のゆず胡椒マヨあえっていうのが美味しいですよ。それと、生の春菊をハーブ入りの塩とオリーブオイルで、というのもいい」
これまでの春菊のイメージを覆すモダンな食べ方だ。
鍋の季節が終わってからがいよいよ食べ頃!?
「とはいえ、やはり春菊というだけあって、太さも食味も最もいいのは春ですね。2月ごろになるとみなさん、鍋にも飽きてくるのでちょうどいいんじゃないですかね」
見ると、ハウスで育てている春菊はずいぶん太い。なんでも冬場は成長が遅いのでその分茎が太くなるんだそうだ。逆に気温の高い季節は細く長く伸びるらしい。そして、ハウスのほうは連作障害を防ぐため、2月から4月くらいは毎年ほうれん草の栽培にスイッチしているとか。周期的に別の作物を育てることによって、土壌の栄養バランスを保つのだ。



ハードな作業を支えるのは現場主義
「ハウスでの栽培を始めて8年くらいになります。1棟から400キロくらい一度に収穫できて、現在はハウスが11棟。座りっぱなしの作業はきついですが、やっぱり管理して見てるだけじゃなく、さわっていないと生育はわからないものですね」
なにごとも現場に携わっていないと、ということらしい。その証左として、ハウスには黙々と作業にはげむ児嶋さんのお父さんの姿もあった。
(平成28年1月 取材)
協力:福岡県農林水産物ブランド化推進協議会