アキバ博士の食農教室
AKIBA-HAKASE
ヤマノイモのむかごの役割は?
2022.03.31
ヤマノイモのむかごの役割は?
子孫を残すためなんだ
秋は野山の植物にとっても実りの時期。木に絡まったつるには、アケビやムベなどの果実や、ヤマノイモのムカゴが付いているよ。むかごは、炊き込みご飯にして楽しめるね。
実はこのむかご、つるにくっついているけど、実や種ではないんだ。ヤマノイモの実は別にある。では、むかごは、どんな役割を持っているんだろう?
むかごは地面に落ちると翌年の春に芽を出して、ヤマノイモとして育つんだ。つまり、自分たちが増えるためのものなんだよ。
むかごは、茎の一部が丸く太ってできたもの。これは、土の中にある芋ができるのと同じ仕組みなんだ。だから、芋と同じように芽を出すことができるし、味が似ていておいしく食べることができるんだ。
ヤマノイモは種でも増えるけど、軽くてあまり養分を持っていない。だから、むかごに比べると成長が少し遅いんだ。その代わり、風に飛ばされて遠くで芽を出すことができる。それぞれ特徴があるんだよ。
むかごを作る植物はほかにもある。例えばオニユリやノビルなどだよ。オニユリは葉の付け根に、黒いむかごを1つずつ付ける。このむかごを食用にすることはあまりないけれど、むかごから育ったオニユリの球根は、ホクホクとしたユリネとしておいしく食べられる。
生でみそを付けて食べると、少し辛い”大人の味”がするノビルは、花を咲かせたあとの茎に、夏ごろ小さなむかごがびっしりと付く。これが地面に落ちて芽を出すのはヤマノイモと同じだけど、ときどき茎に付いたまま芽を出していることもあるよ。まるで髪の毛が生えているみたいなんだ。
野生の植物って、いろいろな方法で子孫を残そうとしているんだね。