お酒飲んでも赤くならい人 何が違うの?
お酒飲んでも赤くならい人 何が違うの?
分解酵素の働き方さ
あけましておめでとう。お年玉、たくさんもらったかな。新年会で、お酒を飲んでいる大人たちを見て気付いたけれど、お酒を飲んで顔が赤くなる人と、ならない人がいるよね。なんでだろう?
お酒を飲むと、お酒に含まれるアルコールは胃や腸で吸収され、血液を通して全身に行き渡る。そのうちの1割は尿などで体外に出される。残りは肝臓で「アセトアルデヒド」に分解され、さらに酢の成分の「酢酸」に分解される。酢酸は血液に乗って再び全身に行き、筋肉や脂肪で、水と二酸化炭素(CO2)に分解され、体外に放出されるんだ。
問題はアセトアルデヒド。神経に働きかけ、皮膚の血管を広げて血流を増やし、顔を真っ赤にするんだ。アセトアルデヒドは毒性が強く、分解されずに体内をめぐると、頭痛がしたり、動悸(どうき)がはげしくなったりするよ。
でも、顔が全く赤くならない人っているよね。これは人によってアセトアルデヒドを分解する力が違うからなんだ。「アルデヒド脱水素酵素」という、たんぱく質の一種が分解するんだ。この酵素は、たんぱく質の構造が違う1型と2型があるんだ。2型のほうが分解する力が強い。その2型を持っていなかったり、働きが生まれつき弱かったりすると、顔が真っ赤になっちゃうんだ。
白人や黒人は2型酵素の働きが良くて、顔も赤くなりにくい。それに比べて、日本人など東洋人の4割は、2型酵素の働きが弱い。そして5%の人は2型酵素を持っていないんだ。これは遺伝で決まっているよ。だから、お酒を飲み慣れても、赤くなる人は、いつも赤くなっちゃうんだ。
赤くなるかどうかは遺伝によって決まっている。周りを見てごらん。顔が赤いのはお父さんの兄弟だけで、ほかの人は平気、なんて場面ない? 君のお父さん、お母さんはどう? 2人とも赤くなるようなら君もなるかも。でも、試すのは20歳を過ぎてからにしよう。
(取材協力=アルコール健康医学協会)